タワーマンションの高層階のお部屋を新築で購入され、入居までに内装を一新したいとご夫婦で相談にこられました。購読されている新聞の広告などで遊のことは以前から知っていただいており、この機会にとお声かけいただいたそうです。
ご要望の中心は意匠デザイン。建築的な美しさを追求した住まいを目指しておられ、細部の納まりにこだわることで、框や巾木、敷居や見切りといった建材を排除。装飾を極限まで削ぎ落としたシンプルな空間を理想とされました。特にオーナー様の想いが反映されているのがキッチンまわり。オリジナルで製作したアイランドキッチンはライジング仕様を採用してセラミック天板の美しいシルエットを強調。脚の部分も凹みを深くし、宙に浮いているような軽やかさを演出しました。背面の収納もフラットにデザイン。取っ手やつまみを排除して壁や建具と一体にしています。他にも、間接照明の立ち上がり部分を見えないように工夫してシャープな印象を持たせたり、オーク材の無垢フローリングと天然石のタイルの取り合い部分の見切りをなくして納まりの美しさを表現したり、お打ち合わせを繰り返しながらオーナー様と一緒にシームレスなデザインを追求していきました。
ご覧いただいた通り、カッシーナ他、国内外の一流デザイナーズ家具が洗練された空間の中にしっくり。モノも非常に少なく、ミニマルな暮らしを望まれていたご夫婦にとって理想的な器をご提供できたのではないかと満足しています。